現代アメリカ
いい本だった。色んな分野について、いい具合にまとまっていて一家に一冊あってもいいかもしれない。
パラパラ好きな時に好きなセクションだけ読んでもOKなところがいい。
日米比較っていう言葉はそんなに意識しないで読んだ方がいいと思った。知っているようで知らないようなアメリカという我々がけっこう影響を受けている国のベーシックな部分を勉強できる。
いろいろ書いてる時間ないので読んだ記録としてUPします。
おしまい。
ケンタロウと秘密の料理道具箱
これは、思いの外良かった。
少なくとも、モノ好きの男心(ただし料理をする男の)はかなりくすぐると思う。
同時期に買った某モデルの山ガールの道具の本は、本当に内容が薄くてがっくりしたけど、これは違う。(山ガールの本。中古が1円に下がるまで待ってから買ってよかった~。)
16章まであって、1章ずつテーマの道具を紹介している本。間にちょびっとコラムもはさみつつ。
この方、エッセイが、文章が、上手。構成がうまいしテンポもよくて、楽しく読める。姿勢が一貫しているし。
第一章から包丁ではじまるんだけど、いいよね。まあ、残念なことに包丁は持っているから滅多なことがないと買わないと思うけど、吉實はお母さんから教えてもらったんだって。お母さんのことカツヨって書いてあります。カツヨだからね、カツヨだよね。
かね惣(かねそう)
こちらはオン・ラインショップとして整ったサイト。
吉實
こちらは、あまり手の入っていない渋いサイト。これはこれで逆に惹かれるよね。
ル・クルーゼの章では、フランスの工場に行って買いまくった話とか面白い。日本に入ってない色とかあるようで。でもル・クルーゼはいいよね。2006年の本だから、もうけっこう日本に入ってきてて店舗とかもあったと思う。
あと、ゆき平鍋使わないんだって。おもしろい。
僕は、ゆき平鍋大好きです。一個しか持ってないけれど色んな大きさを増やしたいです。お湯がすぐ沸くから大好き。形も見た目も好き。今もっているのは、京都の有次で買ったやつだけど、次は仔犬印のゆき平を買ってみたいと思っています。
とにかく、この本は、買って損はないぜ。
ちょっとした合間にパラパラ読んで楽しいし、物欲が刺激される!
かっぱ橋道具街に行きたくなるぜ!
ピギー・スニードを救う話 John Irving Collection 1989-1998 "Trying To Save Piggy Sneed" ジョン・アービング 小川高義・訳
ジョン・アービングには珍しい、短編集です。(珍しいのか、これだけなのか?)
胃カメラの麻酔から覚めきらずにボンヤリしている中、お互いジョン・アービングが好きだということが分かって後輩のTちゃんが教えてくれた本です。
ピギー・スニードを救う話 (John Irving collection 1989-1998)
- 作者: ジョンアーヴィング,John Irving,小川高義
- 出版社/メーカー: 新潮社
- 発売日: 1999/08
- メディア: 単行本
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短編だからね、短いよ!
つまり、うぉぉーアービングの本読み終わったぜー!っていうあの感じは得られませんが、かといってアービング色がないかといえばそうではなく、凝縮されていたり、一端がうかがえたりして、それなりに面白かったです。
ただ、アービングの導入としては僕は勧めないかなあ。訳者あとがきでは、初めてアービングを読む人に雰囲気を知るのにいいって書いてあったけど、僕はアービングが好きだから面白いんじゃないかと思いました。だって初めて読むならやっぱりいきなり超ぶ厚いやつを読んでもらわないと、真骨頂は味わえないわけで。
ピギー・スニードを救う話
これはメモワールである。だが(まともな想像力をそなえた作家から見れば)どんなメモワールにも嘘がある。
なんつって始まるいい感じの話。ばーちゃんと、醜い顔のピギー・スニードが出てくる子供の頃の本当の想い出のような話。
インテリア空間
結婚とか医者の仕事とか家の購入と隣人と木、とか。
もうすぐアイオワ
離婚しそうなボルボに乗ってるおっさんの話。(あ、おっさんじゃないのかもしれないけど、おっさんの印象)
疲れた王国
僕はこの短編集において、これが一番アービングの世界の凝縮版だと思う。女子校育ちっぽい登場人物とか、レスリング技とかバイクとか話が展開する舞台の狭さとか(←世界中を移動するストーリーはあるけどアービングの小説はいつも移動していない印象がある。移動しても、移動した先の狭いエリアでの話な気がする)
ブレンバーの激論
これが一番好き。10ページしかないからほんとに短い。
飲み会に参加した夫婦の話。主に、妻の視線から書かれている。
ひとの夢
つまんなかった。寝る場所によって、その家具をよく使ってた人になる夢を見る、という話。それが母親で...みたいな。
ペンション・グリルパルツァー
熊、出ます!ガープの世界の細かいこと忘れちゃったけど、この話はガープの世界と関係あるっぽい。
小説の王様
ディケンズ論でございます。アービングは、ディケンズ好きらしい。(分かる気はする)とりあえず、大いなる遺産 を読み直したくなります。
映画は冒頭のロバート・デ・ニーロの怖い感じと、グィネス・パルトロウがエロかった記憶しかありません。すみません。
料理本とかハウツー本とか、4冊まとめて。 和食・スープ・本棚・魚
ハロー
図書館で何冊かかりた本、悪くはないのだけど、今のわたくしには合わないという意味で、全部いまいちでありました。
いい本だとは思いますよコレ
これがね~、分厚い表紙の辞典みたいな感じで、質感ばっちりでアガるんですが、料理がちゃんとしててハードルが高くてむりだった。ぜんぜん入りこめなかった。全部が全部ってわけじゃないけどね。
ひとつだけ、オクラ納豆の味噌汁っていうのが◎でした。実践しました。
ねばねばっていうか、とろとろお味噌汁。
この調理の順が、具が最後なんだよね。【出汁⇒お味噌⇒納豆さっと煮立てる⇒オクラ入れて火を止める⇒薬味。】という順番なの。あれ?お味噌入れてからそんなに火入れていいんだ、みたいな。オクラの加熱ってそんな短時間でいいんだ?!みたいな。
とろとろになった汁とオクラはおいしかったけど、納豆の豆はぶにゅぶにゅになっちゃっていまいちでした。(加熱しすぎた?)
納豆好きの3歳ボーイはオクラが浮いていたからか食べてくれなかった。彼はブロッコリー以外の緑色の野菜を食べてくれません。
あ・・・この人あの人じゃん。
本を開いてしばらくしてから気がついたんだけど、苦手なのよ~この人。
とりあえず、野菜と鶏胸肉をチョー細かく切って、ちょびっとカレー粉をまぜるスープだけは真似してみようと思うけどあとはいいや。ごめんなさい。
あ、あと、1カップ用の味噌をサランラップで包んで用意しておいて薬味をいれてお湯を注ぐだけで飲むのが忙しい時に便利みたいなやつも、考え方としては参考になりました。ただ、1カップ用をラップしておくんだったら、1カップ用を味噌の入れ物からとればいいじゃんって思いました。
とりあえず、鍋にかける必要はないんだよねっていう。だってレトルトの味噌汁はお湯をそそぐだけじゃんかお前っていう盲点(あれは色々な味付けがしてあるけど)。出汁の粉を一緒にいれればいいよねきっと。
1、お味噌 2、粉の出汁(分量は実験を重ねて編み出すしかないかな)3、乾燥わかめ 4、おまけにゴマとか七味とか(うちには辛子は存在しないけど)
みたいな感じだよね。
本棚を自作したい人に向けた、きちんと書かれた優れたDIY本です。
結果的に「ウチはIKEAやMUJIを上手に使うことに知恵を絞ろーっと」と割り切れたけど。
- 作者: (TT)戸田プロダクション
- 出版社/メーカー: スタジオタッククリエイティブ
- 発売日: 2009/11/28
- メディア: 単行本
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これは、ずーっと気になっていた本で、アマゾンのほしいものリストに入れて放置してたもの。ただ中身を見ずに買うのは怖いぞグループでした。だから図書館で借りてよかったです。自分としては、本棚の企画の部分を読みたくて、その比率がどれほどか分からなかったのでネットで買う勇気はなかったんです。 実際のところ、製作部分に比重がおかれていました。
後半は写真つきで作業工程が描かれていてよかったですよ。あたしゃ作らないけど。
あとね、木はホームセンターで買ってきてもいいけど、裁断は自分でやらずに、ホームセンターでもやらずに(店員の技術のほどが分からないので)、きちんと建具屋さんに持ち込んできっちり切ってもらいましょう、全行程を自分でやらなきゃDIYじゃない!みたいな下手な拘りを持っていると無駄に苦労するし設計どおりの本棚をきっちり作れませんよ、みたいなリアルに本棚づくりをしてきた人ならではのアドバイスなんかも散りばめられていて、そういう意味で、適当な情報だけ集めたハウツー本ではない良い本でしたよ。
自分としては、設計して、建具屋さんに頼んで作ってもらったらどれくらいの費用なのかな~なんていう思いと、そこまで費用と労力をかけるほどの住まいかよボケという思いが交錯している次第です。そんでもってすでに家のなかはIKEAとMUJIのショウルームみたいになっているので実用性と低コストとでない知恵しぼってがんばってレイアウトして突き進めばよくない?という思いが勝ってきています。だって考える時間も脳みそもセンスもないからね!
ポイントポイントで骨董的な家具を混ぜて自分の気分を騙しつつ中和していけばいいじゃんって。
ずっと欲しかったけど、今の自分にはゆとりがない。
ずーっと欲しかったのに、残念ながらパラパラめくっただけで終わってしまいました。
さかな、くいたいけど、たけぇし、めんどくせぇし。切り身か干物しか買わねぇし。一家に一冊って気はしますよはい。きちんとお料理する人なら、料理が上手になったとしてもこういう本ってふとした時に参考になるだろうし。でも今の自分の生活には家で魚をさばいて調理するような余裕は全くないわけで。最近は、どのお店でも買うときに食べ方を聞いてくれてさばいてくれるから、よさげなのを買って塩焼きで、なんて頭をよぎることもあるけど、だいたい高いし、骨のこと気にしながら幼児に食べさせるのめんどくさすぎるんで。ブリとかシャケの切り身ばっかりです。あとは、サバの干物の冷凍とか。パルシステムで注文する、すでに衣がまぶしてあって揚げたり焼いたりするだけの魚とか。
魚において、加工品ばかり食べさせているわけで非常に罪悪感を伴っています。せめてなるべくシャケの切り身は天然ものを買おうと悪あがきしている次第です。でも流通している切り身の魚ってほとんど養殖だよね。まぐろだって、たいてい養殖ってかいてあるじゃん、なんなのよもう。
魚といえば、ワイフが務める会社の健保のホテルat箱根で食べた白身魚のムニエルおいしかったです。イタリアンレストランで、コースのうちの一品で、ほんの一切れだったんだけど。あれだけをメインにしてもっと食べたかったです。
ちなみに、ヘルシーコースというのを注文したらそれが出てきたんです。その魚にMTCオイルをお好みでかけて下さいって、市販のMTCオイルの瓶がテーブルに置かれたという不細工な演出にはがっかり。「メニューにMTCオイルがどうのこうのって書いてあったけど、自分でかけるだけじゃん!」ってがっかりしました。
美味しかったけどな!オイルをかけなくても美味しかったけどな!
『シカゴ育ち』 スチュアート・ダイベック 訳:柴田元幸
アメリカ・シカゴ出身の小説家の短編集です。
エドワードホッパーの「ナイト ホークス」という絵を知らない人は、チェックしてから読むとよろしいでしょう。
夜鷹という小説の『時間つぶし』という章で、主人公がシカゴ美術館の絵を見て回るのです。たとえば、ゴッホのアルルの寝室だとか。
それで締めくくりが、エドワード・ホッパーのナイトホークスなのです。
そして、『時間つぶし』の次の章である『不眠症』は、そのナイトホークスの絵を物語った作品なのです。だから、どんな絵か、みておいた方が楽しく読めるでしょう。
っていうか、コレ↓です。
(画像は、アマゾンのリンクだからどっかから拝借したわけじゃあござんせん)
私は、けっこう気に入っちゃいました。なんかわかんないけど、じーっと見入っちゃう。シカゴ美術館に観に行きたい。シカゴってどこらへんなんだろう。
シカゴといえば、シカゴ・ブルズ、それから大好きなコモンはシカゴ出身だった気がします。
ちなみにこのナイトホークスは、wikiペディアでチェックするとダイベックのみならず色々な分野のアーティストが自身の作品へ取り込んでいるらしいです。
ナイトホークス=夜鷹と翻訳されているのですが、夜鷹というのは娼婦ですよね。しかし、いくら読み進めても娼婦は出てこないし、娼婦の比喩のようなストーリーも出てこないなあと思ったのですが、どうやら夜更かしする人たちという意味もあるようです。
ヨタカ目ヨタカ科の夜行性の鳥が由来の呼び名のようですって。
それからこの本ですが、全体的には以前『ペーパーランタン』(柴田元幸の翻訳集『いずれは死ぬ身』に収録)を読んだ時の感動がなくてちょっと残念でした。
ではまた。
Edward Hopper: 1882-1967: Transformation of the Real (Basic Art)
- 作者: Rolf Gunter Renner
- 出版社/メーカー: Taschen America Llc
- 発売日: 2015/11/23
- メディア: ハードカバー
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『火を熾す』 ジャック・ロンドン
まじ、いい。
一家に一冊。
100年以上前の小説とは思えない普遍性を感じる。それこそ芸術だよね。
いつものことだけど、いい本を紹介したいのに、あんまりうまく書けないや。
内容に触れるのもあれだし。
ちなみにこれ、短編集です。
冒頭の「火を熾す」の読み始めてわりとすぐ出てきたフレーズがすごく好きで、
~あるいは人間一般のもろさに考えが至りはしなかったし、さらにそこから、不死であるとか宇宙における人間の位置であるとかいった観念の領域に思いを巡らすこともなかった。
っていうのがあったんだけど、そっかー、こうやって表現すればいいんだーっていうよろこび。
宇宙のことを考えればやっぱり自分って本当に存在しているの?みたいな考えになってきて、存在していないとしたらじゃあこの思考はなんなの?思考だけが実体として存在しているの?みたいなぐるぐるが始まるじゃないですか、あれはこう呼べばいいのか!と。
あと、内容にかかわるので引用をしたくないんだけど、愕然・唖然・冷静という言葉のお手本になりそうな教科書にのりそうな文もありました。
あとボクシングってアメリカで歴史あるんだなと再認識。アメリカ人ってボクシング好きだよね。この前読んだジョン・アービングの本は、レスリングの描写が多くて、今回はボクシング。どちらもアメリカで盛んなスポーツですね。
勧めてくれた友人に感謝。
こりゃ他にも読まなくちゃ!
もうすぐ40歳だけど、まだまだまだまだ小説に感動できるんだっていうことを知るたび、幸せを感じます。
- 作者: ジャック・ロンドン,新井敏記,柴田元幸
- 出版社/メーカー: スイッチ・パブリッシング
- 発売日: 2008/10/02
- メディア: 単行本
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★★★★★『また会う日まで』 ジョン・アーヴィング(著) 小川高義 (翻訳)
久し振りの「読み終わってしまった喪失感」がたっぷりの小説でした。
近年のジョン・アーヴィングのなかではかなりいいよねという友人の評価どおり、すっごい良かったです。
でも何だろう、左手でもつ本が薄くなってきて「ああ終わらないで」感を味わっている暇はなく、できれば先を早く読みたい本でした。
そして、読みなおしたい。
なんていう壮大なお話。
父ウィリアムは教会のオルガニスト。体じゅうにバッハやヘンデルの楽譜を彫りこんだ刺青コレクターでもあり、弾き応えのあるオルガンと腕のいい彫師に吸い寄せられるように、北欧の港町を転々としていた。母アリスは、幼いジャックの手をひいて、逃げたウィリアムの後を追う。コペンハーゲン、ストックホルム、オスロ、ヘルシンキ、アムステルダム…。街々の教会信徒と刺青師のネットワークに助けられ、二人は旅をつづけるが、ついに断念。トロントに落ち着く。父を知らないジャックは、「女の子なら安心」という母の信念のもと元女子校に入学し、年上の女たちを(心ならずも)幻惑しながら大きくなってゆく―。現代アメリカ文学最強のストーリーテラーによる怒涛の大長篇。
アメリカのアマゾンでは、評価があまり高くないのはなぜでしょう。おもしろい。
村上春樹の小説のエロ小説っぽさが際立つシーンは、ジョンアービングの小説にでてくるセックス的なシーンからの影響なんでしょうかね。これは春樹翻訳ではないですが。
なんかー、何をどう紹介してよいのか困る本だよね。
あれを言っちゃああれを匂わせてしまうし、あれがこの本のいいところだよなんつったらまたあとでのお楽しみを奪うようだし。
すごく大好きだったわりには、すごく良かったよ!読んで!としか言えない。
そういう意味では、ジョン・アーヴィングを知っている人に勧めるのは簡単だけど、知らない人に勧めるのは難しい本ですね。
ジャック・ロンドンを読み始めたら良すぎて頭が支配されていることだし、サクっと更新しておしまいにします。
でも、ちょーオススメなんですよ!
これは、単行本を買っておきたい本です。おっきい本棚作りたいなあ。