まだまだこんなに素晴らしい小説を書き続けられるのは素晴らしいですね。
ちょっと実態のないようなあるような不思議な存在が登場するのって、アーヴィングの小説にあったかな?
サーカスの話がけっこう出てくるので、まだ読んでいなかった「サーカスの息子」
もポチった。もはや単行本は中古でしか流通していない。
これをちらっと読んでおくといいかもしれない。メキシコにあらわれた聖母マリアの話で。主人公のファン・ディエゴの名前はここからとっているみたいだし。
グアダルーペの聖母
http://www.st.rim.or.jp/~cycle/SEIBO.HTML
前々からうっすら感じているけれどアーヴィングはたぶん日本にあまり好意的な印象は持ってないよね。日本に限らずアジア全般にそうかもしれない。
そういえば、この本は誕生日プレゼントに買ってもらったんだった。ワイフから。
貧乏人ではあるけれど、新作を、新品で買うことには意義がある昨今。
作者はもちろんのこと、翻訳した人に少しでも印税が入りますようにって。
小竹由美子さんというのは初めて目にした名前。
かつては、翻訳本に感動している自分は果たして本当にその小説の良さが分かっているのか、疑問でならなくてその点がひっかかりつつも色々と海外小説を読んでいた。
今は、どうでもいい。
面白ければそれでいいし、労を割いて翻訳してくれた人には、つくづく感謝しかない。
2018年に、ジョン・アーヴィングの新作を日本語で読めたことに感謝感謝。
内容は、相変わらずなことが多いけれど、舞台がメキシコだったりアジアだったりすることで少々いつもと印象が違うかもしれない。
医療の話が出てくるのはあいかわらずなんだけど今回はベータ遮断薬という心臓の薬がずーっと出てくる。
宗教文化のお勉強のうわべだけかじった自分としては、聖母に対するいろいろな思いや向き合い方などがたくさんでてきて面白かった。メキシコの宗教なんて知らなかったし、アメリカの小説家が書いたメキシコのキリスト教とおよび無神論者の考えなど色々と知ることができた。イエズス会という言葉がたびたび出てきて、今ではサッカーのイメージしかないスペインがかつてどれほど世界中を荒らしまわって、そのころに獲得した富で今まだに成り立ってるのかもしれないなあと再認識したり。その時に、言語の普及とキリスト教というのはもしかしたら密接だったのかな。現地の言葉があったはずだ。(この小説にも出てくる)考えてみれば、南米はブラジル以外は、すべての国でスペイン語が公用語なんだからすごい。
ちょっとこの小説を読んでみたいと思うような文章はかけなかったですが、ぜひ。