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友人たちに、読んだ本の紹介。ときどき、音楽も。というかほとんどただのログ

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2015上半期ベストよ コールドスナップ / トム・ジョーンズ

低血糖状態の糖尿病患者ドクター・モーゼス・ゲイレンは、ロサンゼルスの大通りの交差点で渋滞にハマる。血糖値は、デシリットルあたり約40ミリ。

異常な、飢餓感。

この本、短編集で、上記は『ウウ〜ベイビーベイビー』の始まりの状況。
俺(なぜか俺の気分)は糖尿病じゃないんだけど、血糖値のことをすごく気にした生活を送ってるし、どう考えても低血糖状態だろうって症状になることがあるんだ。

だから、このストーリーは「それ分かる」っていう面白さと、「俺は今、糖尿病じゃないけどビビルぜ」っていう恐怖でびちょびちょ。

 この本は、短編集なんだけど、糖尿病とかアフリカで下痢をする話とか、色んな薬(医学で処方される方の)の話が、素敵な女とセットで出てくる。

ドクター・モーゼス・ゲイレンだって、低血糖でプルっちゃってるけど隣には、ちょーいいオンナがいるのだ。

血糖値っていえば、二時間糖負荷検査なら受けてみた。(これは本じゃなくて俺の話)ネットで「低血糖症」って検索すると色々出てくると思うんだけど、自分に対してそれを疑ったから。けど普通のお医者さんでは二時間までしか検査できない。保険の対象外だから。それで、相談したらとりあえず二時間やってみましょうって。検査後。血糖値測定機もお借りしているが、異常な「プルプルハァハァ冷や汗だらだら」状態を再現していないので、良く分からない。何度も計測しているけれど、70mgを切ったことはない。(と書いて下書き保存しているうちに一度70mgを切った)。二時間糖負荷検査の結果に関しては、糖の値もインシュリンの値も正常値らしい。

しかし、あの飢餓感は、異常だ。

カフェインが血糖値を上げると知ってデカフェを飲んだりしている。普通のも飲んでいるけれど。
オートミールは、一度しか食べていない。クソまずいからだ。調理方法が悪かったのかもしれないが、おっくうだ。そもそもまずい物を、なるべく美味しく食べるためにはどうするかっていうわけだから、まずいことに違いはないはずだから、おっくうさ二倍。

どうしてオートミールの話をするのかといえば、この作家を好きになったきっかけの「ピックポケット」(もちろん本書収録)にオートミール中心の食生活にして血糖値が下がって調子バリバリだぜっていう下りが出てくるからだ。

まあ、それで、俺の話は横に放り投げるとして、この本なんだけど、サイコーだね。

舞城王太郎が翻訳していて、文体がほんとに合うよね。そしてそういう評価を前提として出版されているよね。だって本の表紙を見てごらんよ。どっちが作者か分からないよ。こんな本ってあるのかな。翻訳した人の方が字が倍の大きさの表紙って。

それから、また糖尿病と関係してきちゃうんだけど、ずーっとずーっと前に、テレビでアントニオ猪木の密着番組みたいなの観たらさ、バスタブに氷たっぷり入れた冷たい水につかってたわけよ。「俺、糖尿だからさ~」って。なんで糖尿で氷風呂につかるの?って疑問だったんだけど、特に解決する必要はないから頭の片隅に入れたまま放置してるんだけど、この本にも同じことが出てきたのよ。

203ページ目から始まる『ロケットファイア・レッド』っていうアボリジニーの血が25%の女の子がオンボロの車でレースに出て活躍する話なんだけど、その友達のドリー(なんだか人ごとじゃないぜ。だけどかっこいい方の登場人物じゃないのが残念)が、トタン製のタライに水と製氷皿ひと皿ぶんの氷を入れて、そこで行水する場面が出てくるのよ。

身体は尼のあそこみたいに冷えきってしまうが、よく言われるように、体重は地獄の雪玉みたいに溶けてなくなる。ドリーは真っ青になり、歯をガチガチ鳴らしてながらもこっちに微笑んでみせる。頭が再び集中力を取り戻したようだ。

コールドスナップ 河出書房出版 ISBN9784309206578 P.211より 

 寒いと痩せるのかい?「さっさと検索しろよ」なんて冷たいお返事やーよ。
検索ってのは、取りに行った情報しか取れないから万能じゃないよね。いや、大半のことは検索すればいいのだけれど。対話から得られるフィーリングが欲しい時だってあるじゃん。その辺の隙を与えてやれよって思う時あるんだよね。他人に厳しいやつは自分に余裕がないんだよね。手一杯な時に、子供に対する口調のキツさ!自分死ねって思うしなあ!

この本、友人に借りて読んだんだけどあれだ。買って何度も読みたいわ。

それから、いろんな人にすすめたいなあ。けど、こういうのに免疫がない人もいるだろうなあ。難しいなあ。そんな細かいこと考えずに小説が好きだってやつには片っ端から勧めるのがいいかもね!

じゃ、そういうわけで、みんなで読もう!トム・ジョーンズ

じゃまた!

早く拳闘士の休息 読みたい!!

Ciao!!