久し振りの「読み終わってしまった喪失感」がたっぷりの小説でした。
近年のジョン・アーヴィングのなかではかなりいいよねという友人の評価どおり、すっごい良かったです。
でも何だろう、左手でもつ本が薄くなってきて「ああ終わらないで」感を味わっている暇はなく、できれば先を早く読みたい本でした。
そして、読みなおしたい。
なんていう壮大なお話。
父ウィリアムは教会のオルガニスト。体じゅうにバッハやヘンデルの楽譜を彫りこんだ刺青コレクターでもあり、弾き応えのあるオルガンと腕のいい彫師に吸い寄せられるように、北欧の港町を転々としていた。母アリスは、幼いジャックの手をひいて、逃げたウィリアムの後を追う。コペンハーゲン、ストックホルム、オスロ、ヘルシンキ、アムステルダム…。街々の教会信徒と刺青師のネットワークに助けられ、二人は旅をつづけるが、ついに断念。トロントに落ち着く。父を知らないジャックは、「女の子なら安心」という母の信念のもと元女子校に入学し、年上の女たちを(心ならずも)幻惑しながら大きくなってゆく―。現代アメリカ文学最強のストーリーテラーによる怒涛の大長篇。
アメリカのアマゾンでは、評価があまり高くないのはなぜでしょう。おもしろい。
村上春樹の小説のエロ小説っぽさが際立つシーンは、ジョンアービングの小説にでてくるセックス的なシーンからの影響なんでしょうかね。これは春樹翻訳ではないですが。
なんかー、何をどう紹介してよいのか困る本だよね。
あれを言っちゃああれを匂わせてしまうし、あれがこの本のいいところだよなんつったらまたあとでのお楽しみを奪うようだし。
すごく大好きだったわりには、すごく良かったよ!読んで!としか言えない。
そういう意味では、ジョン・アーヴィングを知っている人に勧めるのは簡単だけど、知らない人に勧めるのは難しい本ですね。
ジャック・ロンドンを読み始めたら良すぎて頭が支配されていることだし、サクっと更新しておしまいにします。
でも、ちょーオススメなんですよ!
これは、単行本を買っておきたい本です。おっきい本棚作りたいなあ。