ピギー・スニードを救う話 John Irving Collection 1989-1998 "Trying To Save Piggy Sneed" ジョン・アービング 小川高義・訳
ジョン・アービングには珍しい、短編集です。(珍しいのか、これだけなのか?)
胃カメラの麻酔から覚めきらずにボンヤリしている中、お互いジョン・アービングが好きだということが分かって後輩のTちゃんが教えてくれた本です。
ピギー・スニードを救う話 (John Irving collection 1989-1998)
- 作者: ジョンアーヴィング,John Irving,小川高義
- 出版社/メーカー: 新潮社
- 発売日: 1999/08
- メディア: 単行本
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短編だからね、短いよ!
つまり、うぉぉーアービングの本読み終わったぜー!っていうあの感じは得られませんが、かといってアービング色がないかといえばそうではなく、凝縮されていたり、一端がうかがえたりして、それなりに面白かったです。
ただ、アービングの導入としては僕は勧めないかなあ。訳者あとがきでは、初めてアービングを読む人に雰囲気を知るのにいいって書いてあったけど、僕はアービングが好きだから面白いんじゃないかと思いました。だって初めて読むならやっぱりいきなり超ぶ厚いやつを読んでもらわないと、真骨頂は味わえないわけで。
ピギー・スニードを救う話
これはメモワールである。だが(まともな想像力をそなえた作家から見れば)どんなメモワールにも嘘がある。
なんつって始まるいい感じの話。ばーちゃんと、醜い顔のピギー・スニードが出てくる子供の頃の本当の想い出のような話。
インテリア空間
結婚とか医者の仕事とか家の購入と隣人と木、とか。
もうすぐアイオワ
離婚しそうなボルボに乗ってるおっさんの話。(あ、おっさんじゃないのかもしれないけど、おっさんの印象)
疲れた王国
僕はこの短編集において、これが一番アービングの世界の凝縮版だと思う。女子校育ちっぽい登場人物とか、レスリング技とかバイクとか話が展開する舞台の狭さとか(←世界中を移動するストーリーはあるけどアービングの小説はいつも移動していない印象がある。移動しても、移動した先の狭いエリアでの話な気がする)
ブレンバーの激論
これが一番好き。10ページしかないからほんとに短い。
飲み会に参加した夫婦の話。主に、妻の視線から書かれている。
ひとの夢
つまんなかった。寝る場所によって、その家具をよく使ってた人になる夢を見る、という話。それが母親で...みたいな。
ペンション・グリルパルツァー
熊、出ます!ガープの世界の細かいこと忘れちゃったけど、この話はガープの世界と関係あるっぽい。
小説の王様
ディケンズ論でございます。アービングは、ディケンズ好きらしい。(分かる気はする)とりあえず、大いなる遺産 を読み直したくなります。
映画は冒頭のロバート・デ・ニーロの怖い感じと、グィネス・パルトロウがエロかった記憶しかありません。すみません。