今週のお題「読書の秋」
すげーよかった。
村上龍の小説には何種類か系統があるけど、これはちょいFSの冒険系の場所がどんどんかわって色んな人と出会って話がどんどん展開していくタイプのやつ。
発売当時、自分に余裕がなさすぎて人生で一番小説から距離が遠かった時期だし、坂本龍一が作った音楽つき電子書籍で販売したって話題になっていたのは知っていたけど、iPadなかったし、まあとにかくそれどころじゃなかったってのが正直なところで読んでいなかったです。
最近になって、紙の本も出版されていたのを発見して、今は、村上龍をかたっぱしから読んでいるので、買ってみた。そしたらすーげーよかった。もっと早く読めばよかった。けどなんでもタイミングってもんがあるのです。
それまでの色んな小説で書かれてきた概念が全部ぶっこまれている感じもするし、架空のおもしろい設定が沢山出てくるんだけど全部SF映画っぽいリアリティがある。し、楽しい面白い。
あと、言葉で遊ぶところの才能もどばどば撒き散らしてて楽しいよ。
登場人物の心理変化の描写で読書をひきつける技も炸裂していると思うし。
細かい、概念の言語化フレーズは、ばんばん出てくるし。
妙に、愛があるし。
途中で出てくる助っ人キャラみたいなのがまた良くてねえ。ネーミングセンスもいいのよ。その名も「ネギダール」っていうんだけど。自分が映画俳優だったらこの役やりたいよ。ネギダールは一応、女だけど。しかも、人間じゃないんだけど、半分しか。
読んでよかったです、はい。
SF感のある色々な設定は、だいたい想像がつくものではあるんだけど、ガスケットっていうスポーツはどこから発想したのだろう。似てるスポーツがあるのかな。面白いよ。
社会構造の真理というか現実をグサっとえぐり書くところは、当然、いつものように織り込まれているので重みもあるんだよ。びしびし再認識されられるけどね、なんとか読めるように、まあがんばれやって感じに書かれているよ。
文庫の解説は、よしもとばななが書いていたよ。ずいぶん前からぱったり読んでないけど、すごくばななっぽい文章だった。
これは、電子書籍の方もかわなきゃな。