読んだ人がその本を読んでみたくなるようなブログを書いていなくて駄目だなあと思いながらもそのままのわたくしです、暑中お見舞い申し上げます。
2作まとめて。
これはいいですよ。スミヤキストQの冒険が苦手だった人でもいけるんじゃないでしょうか。そもそも童話は寓話なので、それをベースに倉橋流に書いたお話ですから。
相変わらず、この人の文章は好きです。
そもそも童話とか子供向けの話って残酷さみたいなものがあるから面白いんですよね。長たらしく書けないし、オブラートにも包めないし、少ない言葉で直感に訴えなくてはいけないから。
本人のあとがきで、結果的に刺激的だったり性的な表現がどうしてもでてきてしまうから「大人のための」と付けたと書いてあります。
倉橋由美子が、自分の好きなように童話を書いたらこうなるよね~という楽しさがありました。
『老人のための残酷童話』も買ってあります。
今読んでいるというツイートがTwitterのタイムラインに流れてきて、読んだはずだけどどんなだったかなと読み直しました。
たぶん、学生の時に、教授が勧めていたんだと思います。
戦時中に医師が捕虜を人体実験することになり、その精神的な葛藤などが描かれていて、ウィキペディアによればテーマは「神なき日本人の罪意識」ということです。
で、遠藤周作は、クリスチャンで、クリスチャンじゃない人の罪の意識を描いたという形のようです。
そこんとこのフィーリングは自分は読んでても良く分かんないっす。
引き込まれるものはあって一気に読みましたけど、あとで振り返ってみると色々不思議な作りの小説でした。
いきなり独白文みたいになってそれが続くのかと思ったら普通にストーリー展開の文になったり、人物設定の説明で構成されている小説っていう感じもするし。主人公的な医師は、導入部分では、変わり物だけど腕のいい医師ということになっているけれど、本編が始まってみると腕の良さを裏付けるような要素がなくて、むしろ下手そうな印象で、どうしてそういう風に書いたんだろうみたいな。全体のテーマからしたらどうでもいいことなんでしょうけど。
性格の悪い不運な看護師のキャラが面白いです。性格が悪いから不運なんだよっていいたいのか、何なのか良く分かりませんでしたが。
まー小説好きなら一度読んでおく価値はありそうです。はい。
じゃ、また。