コレめちゃくちゃ気に入りました 『スミヤキストQの冒険』-倉橋由美子
久しぶりにマジで気に入ったよー!
パラフィン紙!
アマゾンの古本で、馬場梓堂っていうお店から買ったんだけど、文庫がパラフィン紙でカバーされていて、盛り上がったよー。小説と関係ないんだけど、「スミヤキストQの冒険とパラフィン紙」この響き、そして古い本にパラフィン紙というノスタルジック×ノスタルジックなこの姿。
アマゾンでは、何冊も古本を買っているけれどこれは初めてだね。いいわ、パラフィン紙。こんどから自分の本にもやろうかなっていうくらいです。感触がよろしい。音もね。
安部公房をかなり奇人変人にした感じ
時代が近いっていうこともあろうかと思うんですが、安部公房の小説にあるような、主人公が日常の延長線上にある現実なのか幻覚なのか分からない異空間へ迷い込み、その世界へ適応なり不適応なりしながら生きていく様や心理が描かれた小説。
安部公房が苦手だと言っていたRにも、なにはともあれ一度読んでみてほしい。
この作者である倉橋由美子の小説を読むのはほぼ初めて。パルタイという小説を先に買って読み始め、すぐに好きになったんだけど、やばいから先にスミヤキスト読んじゃってよとオススメの言葉をいただいたことで、パルタイを横に置き、こちらを。ほんと、毎日ちょびっとずつ読んだんだけどね、最高でしたわ。
しかし、具体的な内容についてふれずに何をどういう風に書いていいのか、脳味噌がプアーな僕には分からないよ。
書ける範囲のキーワードは、こんなところだなあ。
- 映画化してほしい
- 安部公房の世界のさらに狂った感じ
- 全体に漂う、滑稽さ。
- 登場人物の強烈な個性
- その登場人物へのネーミングセンスはいったいどこからきたのだろう。
- 人をばかにしている感じの表現が、上手い。
- わきが
- セックス
- 不謹慎
- この人も、概念化の能力が高い印象。
とりあえず、「わきが」。
多分倉橋さんは、嗅覚が優れていて、臭いに敏感で、臭いのが気になっちゃってしょうがないタイプなんだろう。(僕も)スミヤキストの前に、一話だけ読んだ『パルタイ』のなかのタイトル作のパルタイ。そのなかで、わきがの記述があって、印象に残っていたんです。それで、スミヤキスト読み始めたら強烈なわきがの人物が登場するんです。「またわきがだ!」と思って、今後読む作品にもわきがが出てくるのかどうか楽しみなんです。
あとは、皮肉のユーモアの視点で常に表現されている方のようでして、多分、僕が理解しきれていないくらいちりばめられていて、読んでいて楽しいです。
つーか、この本、最高なんだけどなあ。
どうすれば、読んでみたいなって思ってもらえるのか分からないなあ。
でも、そんなにたくさんの人に共感してもらえるかは全く自信がないしなあ。(その必要もないしなあ)
小説が好きで、ブラックな感じとか、軽く不謹慎な感じとか、下ねたとか諸々のことに抵抗のない方でしたら、ぜひとも読んで欲しい。
あ、ちがうわ、僕の友人だけでいいから読んで欲しい。
読んでから、内容についておしゃべりしたい。(そういう小説ってあんまりないよね)