筒井康隆の本を何か読んでみようと思いアマゾンで物色しているうちにどれが良いか分からなくなり、小説ではないこの本を選びました。
ヤフーのインタービュー記事を読み、書斎?が日本家屋で素敵で、非常に好感を持ち、著者への興味が沸きました。もともと、見た目が非常に絵になる人ですよね。
これを読んでしまうと膨大な読書量と研究量と、自身の小説における実践が科学者のようであります。小説家というのはみなこういうものなのでせうか。
序言、凄味、色気、揺蕩、破綻、濫觴、表題、迫力、展開、、、、、という風に序言を入れて32の項目に分けて小説の書き方について論じられています。全部二時熟語。
小説は好きだし書いてみたいという淡い気持ちはありますが、これを読んだらわたくしごときが書くなんてとんでもない、と思います。
ちなみに、色々な小説が紹介されていて面白いのですが、ヘミングゥエイが何回も登場します。
一度も読んだことがないので、読もうと思います、ヘミングウェイ。
その他、ヘミングウェイ以外で読んでみたい小説は、安部公房『時の崖』倉橋由美子『100メートル』(二人とも好きなのに読んだことなかった)、星新一『殉教』、夏目漱石『我輩は猫である』。漱石にいたっては、10代の頃に何作か読んだものの、猫と三四郎はどうもとっつきにくく読んだことがなかったです。猫は3ページくらいは読んだと思います。
とりあえず、筒井康隆ファンで、未読の方は必読本でしょう。
小説が好きなら、書いてみたいなら、これらをまず読んで、よく分析してみなはれ、という手引書のようであります。これを台本にして大学で講義ができそうです。
メモ事項
・クラムボンというのは、バンド名でしか認識していなかったのですが、宮沢賢治『やまなし』という小説に登場する正体がまったくわからぬ動物であることが判明。知らぬとは恥ずかしや。
・展開の項に書いてあった「序破急」という展開を知らなかったのもはずかしや。