カズオイシグロ作品のなかでは、一番、読めた作品でした。
イギリスの物語の全体に流れている雰囲気がこの作品にも漏れずに集約されていました。
とりあえず、ファンタジーの雰囲気は全体的に似ているし、ドラゴンが好きなんだなっていうのも改めて分かる。
あと、けっこう、険しい大自然と戦っている系の歴史があるのかな?
情報が少ないのでロードオブザリングとかハリーポッターの映像の世界観で情景を思い描いてしまうのだけれど、だいたいそれでイケる感じ。
険しさと先に何があるか分からない感じ。たとえば、山を登り切ったらガラっと視界が変わるとか、霧に包まれてよく分からないまま進んでいって、霧が晴れたら「うわあこんな所にいたのかあ!」という風にガラリと場面が変わったりだとか。または、海から敵が来るような。そして、洞窟とか地中の世界。
こうやって文字にしてみると、ドラゴンクエストって、イギリスの世界観をイメージして構築されたのかしら。